「全ファミ。」ブログ編

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キャデラック

 テトリスの流れを汲む落ちものパズル系ポーカー。全10ラウンドで、対戦モードも用意されている。画面上部から一枚ずつ落ちてくるカードを使い、5×5のスペースのなかへ上下または左右にカードを並べてポーカーの役をつくり、カードを消していく。AからKまでの13枚×4種類の全52枚を消すとラウンドクリアとなる。
 ポーカーの役として、フラッシュ(3枚~5枚)、ストレート(3枚~5枚)、ストレートフラッシュ(3枚~5枚)、スリーカード、フォーカード、ロイヤルストレートフラッシュが用意されており、この順で得点が高くなっていく。役を作ることがメインなため、ぷよぷよ(コンパイル、ファミコン版の発売は徳間書店)以降の落ちものパズルに採用されることが多い連鎖消し(画面上のブロックなどを組み合わせ、連続して消し去ることで点数が上がるシステム)は採用されていない。
 この作品は、カジノで金を賭けて勝負をする、というイメージでルールが作られている。その
ため、各ラウンド開始時にアンティ(賭け金)として持ち点を支払ったり、ラウンド終了時にカードが消えないで残っているとペナルティーとして持ち点が減らされるなど、持ち点=持ち金がなくなればゲームオーバーになってしまう。
 ラウンドのクリア条件となるカード全消しを実現するには、落ちてくるカードに応じて役をつくるだけではなく、消したカードを覚えておき、全てのカードを使い切れる役を臨機応変につくっていかなかればならない。
 しかし、その方法はあまりにも難しいため、とある法則を使って全消しを狙うことになる。ただ、その法則は、高得点をとれる役と相性がとても悪く、またちょっとしたミスや落ちてくるカードの順番の不都合で失敗してしまうくらいに弾力性がないため、ペナルティーやアンティで持ち点がどんどん減っていくという、かなり厳しいゲーム性になっている。
 結果として、序盤で高い役をつくってオールクリアまでゲームを継続できるくらいの持ち点を稼いでから、全消しの法則を実行していくだけという、バランス調整ができていないRPGのようなゲームになってしまっている。
 二人プレイモードは、ワンペアでも役とみなされるようになり、また、カードが5×5からあふれてしまっても一番下のラインが消えるシステムが採用されたため、「自分だけが役をつくり、相手に役を作らせない」という部分に集中することができ、楽しめる仕上がりになっている。

えりかとさとるの夢冒険

 コマンド選択型アドベンチャーゲーム。夢の世界に迷い込んだ双子が、本当のしあわせを得られるという時のかんむりを探して旅をしていくストーリー。一人でも二人同時でも遊ぶことができる。全五章。
 二分割された2D見下ろしマップに、えりかとさとるが表示されている。一人プレイの場合、えりかとさとるの操作は、セレクトボタンで動かすキャラクターを切り替えてゲームを進めていく。どちらかのキャラクターが、マップ上にある建物や森・行き止まりなどの地形などに入ると、二分割された画面のうち、入ったほうの画面が2Dマップから一枚絵に切り替わる。この一枚絵上でカーソルを一定の場所に動かし、会話や見るなどのアイコンで行動を選択していくことになる。
 このゲームでは、主人公が二人いることを利用してゲームを進めることができる。たとえばえりかがどこかの建物に入っているとき、さとるは2Dマップ上に残っており、自由に違う場所へ移動できる。このシステムを利用して、たとえば、えりかで話を進めてフラグを立てておき、次にさとるが違う場所でアイテムを使ってイベントを起こす、というような連携プレーができるため、プレイヤーはその連携を楽しみつつ、テンポよくゲームを進めることができる。もちろん、二人の主人公がいるからこそできる「暗闇の洞窟」という仕掛けなども存在し、通常のADVとはひと味違うゲームになっている。
 コマンド選択式アドベンチャーでは、全てのコマンドを選択すれば先に進むことができる「コマンド総当たり」というプレイ方法がある。この方法は、誰もが気付きやすく、なおかつ実行時にプレイヤーの思考がほとんど必要ないため、アドベンチャーゲームのゲーム性を著しく落としてしまう。この作品では、プレイヤーが総当たり方式をなるべくしなくなるような工夫がされており、さらに、総当たりでは解けないトリックも数多く用意されている。
 このゲームでは、「次はどこそこの建物に行け」と直接プレイヤーに指示したり、プレイヤーにそう思わせるような間接的なヒントを明示し、次にイベントが起こる場所へプレイヤーを移動させることが多い。こうすることで、プレイヤーは、ある場所で何かすれば話が進むということを意識することができ、闇雲にあらゆる場所に移動してイベントを探す、というコマンド総当たり的な行動をしなくてもよいからである。
 こうして、移動した先の建物や森林などにえりか達が入って画面が一枚絵に切り替わると、カーソルを動かして一枚絵にある様々なモノを調べていくことになる。このとき、カーソルがあわせられる全てのモノに意味ありげなテキストが用意してあれば、結果的にプレイヤーは総当たり方式を行うことになってしまう。そこで、空や窓、机や壁といった何気ないものなどにカーソルをあわせたとき、なんの変哲もない使い回しテキストを表示し、プレイヤーに「ここにはなにもないんだな」と思わせている。そうすることで、全てのモノに対して行動することが、あまり意味のないことだと意識させているのである。こうして、コマンド総当たりをしないようにしておいて、ごくまれに、そういったところで「何かが起こる」フラグを仕掛けておき、プレイヤーを惑わせるのも心憎い演出と言える。
 たとえば建物に入るとき、どちらのキャラクターでもコマンドを実行することができ、ストーリーを展開させることができる。しかし、序盤のうちから、二人が同時に一つの建物に入らなければイベントが起こらない、というイベントを用意し、「普段はどちらでもはなしが進むが、二人同時に建物に入ることがストーリーを進めていく鍵になる」とプレイヤーに思いこませているのだ。そうしておいて、その思いこみの裏をかく仕掛けをゲームの後半に用意しているのも、このゲームの特徴である。
 裏をかく仕掛けは他にも多くある。ちょっとしたミニゲームでゲームに変化を付けつつ、ここぞというときに、ミニゲームで勝ちたいという気持ちの裏をかいたトリックが存在する。また、普段マップ上で移動するときには自転車を利用させ(ゲームの開始時に自転車に乗って行け、と教えられるほどである)どこにでも行くことができるようにすることで、プレイヤーに自転車の便利さを実感させておいて、特定の場所に行くときのみ自転車を降りなかればならない、というような仕掛けがあったりもする。
 とにかく、それまでゲームを進めてきたスタイルではどうにもならないような仕掛けが多く、それらの仕掛けを解くような伏線やヒントといったものも用意されていないため、一度謎にぶつかると、なかなか先に進めないこともある。しかし確実に、「コマンド総当たり」というコマンド選択式ADVゲームの宿命から逃れ、確固たるゲーム性を持つことに成功した、制作者達の挑戦心とアイデアにみちあふれた作品と言えるだろう。

アイアムアティーチャー手あみのきそ

 手編みの基礎から、セーターの仕上げまでを教えてくれるソフト。編み目を作るときの針の動かし方を中心に教えてくれるほか、体のサイズを入力することで、セーターを編むのに必要な毛糸の量を割り出すこともできる。
 ただし、初心者は、編み方を細かく教えられたとしても、失敗することはまず間違いない。なぜなら、多くの初心者は教えの通りに編む技術がないからだ。しかし、この「先生」はメリヤス編みの基本を教えてくれても、技術の向上を手助けしてくれることはない。初心者が犯しがちなミスを防いだり、修正したりする方法を教えてくれることもなければ、美しい仕上げ方を教えてくれることもない。
 このゲームの開発に携わった人間は、おそらくセーターが編めたのだろう。そして、彼らにはこのソフトでの教え方でも、十分に理解することができた。だが、購入者は子供や未経験者だ。その視点で眺めれば、このような作りには決してならなかったはずだ。
 初心者がセーターを完成させるには、それこそ何十時間という時間がかかる。だが、このソフトにはヘルプ機能はおろか、初心者を導こうという優しさもない。それゆえこのソフトを購入した初心者は、「セーターを編む=つらい」と認識してしまい、ほとんど途中で投げ出してしまったことだろう。かくしてファミコン黎明期の意欲作は、編み物の楽しさをほとんど伝えないまま、手芸店の片隅でひっそりと眠っていたのだった。
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