「全ファミ。」ブログ編

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SNAKE RATTLE N ROLE ~ロックなリズムで玉を食え!~

必然のクォータービュー 
 ファミコンは処理の都合上、キャラクターなどを表示するスプライトを5個以上横に並べて同時に表示することができない。5個以上並べるとチラついたり、表示されなくなる。ファミっ子なら少なくとも一度くらいは経験しているだろう。話変わって、本作の主人公は体がボールで出来ているヘビだ。意味がわからないだろうけれども取りあえず読み続けてほしい。胴体を構成するボールは最大で5個。そのため、頭とボールが横に5個並ぶと体や頭がチラついてしまう。そうなると見づらいことこの上ないし、ゲームにならない。そこで、本作はクォータービューを採用しているのだと思う。前回取り上げた『エイセス・アイアンイーグルⅢ』は、クォータービューが持つゲーム的な要素を見事なまでにゲーム内部へと取り込んでいた。翻って『SNAKE RATTLE N ROLE』は、クォータービューでないと表現することの出来ないゲームなのだ。

正直者はレアを見る
 本題へと入る前に、このカセットを見てほしい。NES(Nintendo Entaertainment System)なので形がファミコンと違うが、それはともかく絵だ。体がボールで出来ているのはわかるだろうが、この絵を見てこのゲームを買う気になりますか? 縁あってこのカセットを知人から購入したのだが、正直言って面白そうにはまるで見えなかった。でもねー、ビビっときたわけよ。これはもしかしてものすごく面白いんじゃないか? 
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愛嬌のある顔と姿はしてるんだよ。でもヘビだからなあ。ま、それはさておき、NES用ソフトも集めようと思ったのはこのソフトの存在が大きかった。ファミコンのまだ見ぬ名作が海外に眠ってたっていう衝撃もあったよ。

 で、やってみたら本当に面白くて感動した。ファミコンのゲームとモノが違っていたのだ。ゲームセンス、細かいところの作り込み、バランス調整、どれもこれも頭ひとつ……いや、ボール2つは突き抜けていた。実はこれ、RARE(レア)社が制作していたゲームだったのだ。レアといえば『バトルトード』、スーパーファミコンの『ドンキーコング』、ニンテンドー64の『ゴールデンアイ 007』あたりの傑作を作りあげたゲーム開発会社だが、実はNESでもゲームを作っていたのだ。本作以外にもレア謹製の傑作NESゲーがかなりあるけれども、ファミコンに移植されたゲームは少ししかない。そんなわけで、本作はファミコンを質に入れてでも買うべきスーパーナイスな逸品なのだ。ついでにゲーム動画もちょっとアップしてみたので、購入時の参考にしてもらえれば嬉しい限り。



捕食するは我にあり
 本作の見どころは山ほどあるが、ゲーム性の本質部分であるボールを食べる話をしよう。ゲームスタート時、主人公は胴体にボール1つがくっついた姿で登場する。その後、ステージに登場してくるボールを食べると、そのボールが胴体の一部になるのだ。このボールは同時にいくつも登場し、転がりながら四方八方に動き回る。なので、それを追いかけて食べていだが、この捕食行為がめっちゃ楽しいのだ。ボールの動きを読み、待ち伏せし、先回りし、追いかけまくって、舌を伸ばして食べまくる。追いかけて捕まえて食べるという行為は、現実に食べていない状態であっても大脳皮質から何か興奮するような物質を出しまくるんだろう。そうでなければこの面白さは説明できないような気がする。

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画面上部にある双頭デュークボックスみたいな装置がボールを定期的に吐き出す。敵のいないボーナスステージではボールの追いかけっこが存分にできる。食べて食べて食べまくってアドレナリンを分泌しまくれ!

 こういった単純明快な要素と操作だけで構成されているゲームを「動詞ゲーム」と呼んだのはライターの多根さんだが、本作の捕食部分に関してはまさに動詞ゲームの面目躍如だと言える。そして、そういうゲームの基礎部分がどうしようもなく楽しい作品は、ほとんど例外なく名作と呼ばれるゲームなのだ。
 ちなみに、ステージクリアするとボールをいくつ食べたかがボールのグラフィックで表示される。このボール1つ1つが得点に加算されるわけだ。この加算のされかたというのがまた実によくて、ボールの得点が現在の総得点に加算され、総得点が増えていく際、「トゥルルルルル」という効果音が鳴る。この効果音は最初は低音なんだが、ボール捕食で得た得点が多ければ多いほど(総得点に加算される時間が長ければ長いほど)、その効果音がどんどん高くなっていくのだ。低音から高音へと徐々に上がる音階がまた脳を刺激するわけ。どんだけ脳を興奮状態に持っていくんだよ!

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体重計。胴体の重さが足りないと右隣に見えるゴールの扉が開かない仕組み。任天堂の宮本さんは「体重計を見るのは楽しい」と言ってWiiFitを作ったが、この体重計に乗るのもやっぱり楽しかったりする。レアの先見の明にはまったく恐れ入る。

 だから、どこまで高音になるのだろうと思って、ステージ1で制限時間ぎりぎりまでボールを捕食しまくってみた。そしたら、かなり高い音まで達した後に……この先は自分で確かめてみて。関心して納得するから。ただ、またも脳が心地よい状態になってしまったのは確かなのだ。効果音1つでここまで語れるゲームはさほど多くないよ、ほんとに(『ロマサガ2』の技ひらめきくらいか)。効果音のことを知って以来、ステージ1と2では必ず制限時間ぎりぎりまでボールを捕食しまくるようになってしまった。原稿を書くのにはまったく関係ないのに、だ。

 とにかくゲームの1つ1つの要素が脳を刺激し興奮させまくるので、名作というよりも何度も何度もやりまくってしまうヤバイ代物と言えるかもしれない。ああ、ゲーム脳というなら言えばいいさね! 
 効果音に関連してBGMのことも書いてしまおう。主人公の蛇は2匹いて、RATTLEとROLE。タイトルにもその名前が入っていて、おそらくはというか間違いなくロックンロールをもじっていると思う。というのは、ゲーム内のBGMがどう聞いてもロケンロォルだからだ! 白いひらひらのついた服を身にまとったスーパースターが歌ってるアレだ。特にステージ4で初登場する音楽は本当にノリノリで、その音楽が聞きたいがためにプレイしていると言っても過言でないくらいだ。全体的にとてもリズミカルで、ボールを追うのがさらに楽しくなってしまう。タイムアップ間近やボーナスステージではBGMが倍速になったりして、興奮と緊張のあまりトイレが近くなってしまいそうだ。

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STARRING。こいつらは星がキラめくロックスターなんだぜ!

ボール! ボール!! ボォォォォル!!
 捕食対象となるボールだが、青、オレンジ、黄色と3色あって、どんどん素早くなっていくのは定番だろう。最初は単に転がって逃げ回るだけだが、ステージが進むごとに進化していく。ステージ2ではボールにバネがついて跳ね回り、ステージ3では足が生えて小回りがきくようになり、ちょこまか走り回りながら段差を降りるようになる。一転して次のステージだと跳ねまくって地面に着地した途端、ボールが溶けるんだよ! 溶けたボールは捕食できないから、またボールに戻るのを待つしかないわけだ。黄色ボールが溶けてまた戻る様子は、まるで動画の高速巻き戻しで割れた水風船が元に戻るみたいな感じだったりする。制作者はちゃんと面白いことをしているという意識があって、その面白さが実際にプレイヤーに伝わっているのがすごいのだ。

 で、ステージ5ではついにボールが空を飛ぶ。羽が生えて優雅に宙へ舞い上がるって、どんなボールなんだよ! 軌道がまた美しく、螺旋を描くように飛んで舞い降りてくるわけだ。凡百のゲームなら単なるボールのままだろう。サービス精神がすばらしいというだけでなく、発想そのものが優れているのだ。これで89年の発売なのだから、本当にすごすぎる。
 ところで、蛇が獲物を丸呑みして腹がふくれる様子を映像などで見たことがあると思う。主人公蛇のRATTLEは腹がふくれない代わりに、まるでボールを飲み込んでいくかように胴体がうねり、胴体を構成するボールの色が変化していく。これがどう見ても食べているように見えてしまうのだ。このように、本作は細かいところでの演出も徹底している。ボールを食べた後、ペッという風にボールの残骸を吐き出すのだが、食べたボールの種類によって吐き出すものが違うのだ。

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ボールは跳ねるのにあえてバネを取り付けるセンスがたまらん

 これ、「NESなんだから記号でいいじゃん」という風に考えなかったんだろうなあ。レア社のみならず、海外のゲームクリエイターは「リアル」というところをファミコン(NES)時代から追求しているのだ。といってもファミコンでは処理能力的に不可能なことも多々あり、そのためにかえっておかしく見えるゲームも多い(味にはなっているけれど)。ただ、そのリアルさを追求し続けたことで、PS3やXBOX360などのHD機でリアル感あふれるゲームを作ることができるようになったのだと思っている。

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べちょっという音が聞こえてきそうだ。とろけるボールは○印

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空を舞うボール。何という幻想的な光景……なわけないだろ! だがそれがいい

 話が逸れたけれども、レア社がなおさらに優れているのは「ゲームをさらに気持ちよくする演出」という点にも気を使っているところだ。本作で言えば、Bボタンで舌を伸ばす時、実はちょっとだけ宙に浮く。ほら、ライブとかで興奮して観客が飛び跳ねるじゃん、あんな具合。ロケンロールなBGMとあいまって操作が実に心地よいのだが、単に気持ちよいだけでなく、これも実はちょっとしたリアルなのだ。本作にはマンホールのフタが設置されていて、その上で飛び跳ねる(=舌を伸ばす)とボールやら敵やらアイテムやらがマンホールから飛び出してくる。いちいちマンホールのフタを開けるというアクションをせず、飛び跳ねてフタを外す。これをロックと言わずしてどうする! なおかつ、ボールであれば、Bボタン連打で捕食できてしまう。この即食いが実に気持ちいいのだ。
 ついでにもう1つ、マンホールからデカイ足が出てくる場所がある。コイツを舌の連射で攻撃すると、ものすごい勢いで点数が入り、その点数の入ってくる様子を目で確認できるのだ。これがまた気持ちよくてねぇ。格闘ゲームでいうところの連続攻撃(コンボ)というやつで、まったくもって気持ちよさがあふれまくりのゲームなのだ。

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まんま足。倒した時の見返りは大きく、1upアイテムを落としてくれる。でも後半ステージはこっちを踏み潰そうと大暴れしてくるけどな。遠くで聞こえる足音が怖すぎ

クォータービューのかなたへ
 本作はステージ6から捕食対象のボールが出てこなくなる。代わりに待っているのは高難易度の登頂アクションだ。障害物やアイデアに満ちあふれた仕掛けをくぐり抜け、クォータービューの見た目どおりに画面上へ上へ登っていく……かと思いきや、断崖絶壁風味の狭い場所を敵に追い立てられながら逃げくだるステージなんかもあったりする。
 遠慮も手加減もまったくない、でも難易度上昇カープは憎らしいまでに完璧な出来具合なのだ。水が流れ落ちるステージでは流されまいとすべく左手親指に力が入りまくりだし、最終盤に登場する氷ステージの難易度は絶叫しまくるけれどもな!
 それでいて、蛇の滝登りというような非現実的というか思いつくことさえ難しいシチュエーションも用意されている。クォータービューならではの見た目とあいまって、滝登りのシーンは衝撃的でさえあるのだ。
 こんなに面白いゲームがファミコンで遊べて、なおかつ日本未発売というのがつくづく信じられない。海外ゲーム専門の通販ショップさんなどをチェックして、なんとしてでも入手してほしい(※)。手間ひまをかけた分以上の興奮と面白さが、本作には存在している。

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垂直に流れ落ちる水をまっすぐに登っていくヘビ。実にかっこいいんだが、登り切って直後に罠を仕掛けるのがレアクオリティ。1upをエサにしてくるもんなぁ。最高だ



※ファミコンでNESカセットを遊ぶには、NES本体かコンバート用アダプターが必要です。アダプターは任天堂のライセンス商品ではありません。


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