はじめまして。結論から言うと、ケイブンシャ大百科に記載されているストーリーは、ブローダーバンドの公式設定ではありません。
オリジナルのCommodore 64版によれば、ゲームの舞台はカリブ海などではなく、「宇宙の彼方の小さな星」と記されています。
http://www.mobygames.com/game/c64/raid-on-bungeling-bay/cover-art/gameCoverId,35873/
つまり、あのマップが上下左右でループしているのは、「バンゲリング界」などというものではなく、一つの星だからです。
「ゲームにはストーリーや世界観が必要」との主張には賛同いたします。しかし同時に、オリジナル版を無視してストーリーを捏造したケイブンシャの態度に、僕は疑問を感じます。
はい、公式ではないだろうなとは思っていました。
でも、やはりストーリーと世界観はほしかったですね。
つまり、ケイブンシャ大百科に記載されているストーリーは二次創作なんですね。
二次創作にも面白い物があるから侮れないというか困るというか…複雑ですね。
本編がかっちり固まっていればよかった、という話ですよ。
勝手にストーリーを考えたのかなあ。そこは知りたいところですよね。
あっそうか!
きっとケイブンシャの取材に応じたブローダーバンドの人が、
(結局採用されなかった)自分が考えたバンゲリングベイの設定を
つい熱く語っちゃったんですよ!
それでケイブンシャの人は、それを公式設定だと思って攻略本に載せたんですよ。
ケイブンシャの攻略本に載っているストーリーは、
いかにもアメリカの人が好きそうな内容だし。
ハドソン作のファミコンオリジナル設定という線も考えられますが。
当時のハドソンはACやPCからの移植に際して、
子供受けしそうに設定等の改変を行う事が多々ありましたので。
(冒険島やらファザナドゥやらロードランナーやら)
とりあえず、空母の名前に当時まだ在任期間だった
故ロナルド•レーガン大統領の名前が付けられていることから、
少なくとも元祖ブロダーバンドが付けた設定では無いとは思います。
(なんとなくアメリカ人は創作等に有名人の名前を使わないイメージがある)
あと、バンゲリングベイには「シューティング因数分解」に
当てはまらない要素がもう一つあると思います。
それは、『主役機が「戦闘機」ではなく「爆撃機」である』という事。
確かに「ゼビウス」等、対空兵器と対地兵器を使い分けるゲームはありますが、
メインはあくまで対空兵器の方だったかと思います。
(この辺は日本のSTGがインベーダーに端を発しているからかな?と。)
しかし、バンゲリングベイの場合、主となるゲーム目的は、
「爆撃による全工場の破壊」であり、
対空兵器は所謂サブウェポンの扱いでしかなかったという事。
それは今日までのSTGの変遷を見ても極めて異質であり、
ましてや日本ではTVゲームそのものが黎明期だった当時。
そんな異質な物をSTGとして理解しろという方が無茶な話だったのかと。
(例に漏れず、自分も当時理解出来なかった一人です。)
以前、バンゲリングベイ→シムシティが『逆転の発想』とか書きましたが、
バンゲリングベイそれ自体も既存のSTGからの『逆転の発想』
から生まれたゲームだったのかなぁと、
発売二十数年目にして思った次第であります。長文失礼。
制作者の方に聞けばいいんでしょうけれども、バンゲリングベイでインタビュー記事は書けないだろうなあ……。ただ、すごく興味がありますよ。
ケイブンシャの人にならインタビューできるかもしれませんが。
いえいえ、コメントはありがたい限りですよ。長文大歓迎です。
しかし、タマネギ炒めさんの意見は慧眼ですよ。
確かにその通りなので、ブログのほうで取り上げて、突き詰めてみますね。
「アメリカでは創作等に有名人の名前を使わない」理由っていうのを
ちょっと昔テレビ番組で聞きました。
アメリカは多民族国家なので、日本と比べると氏名のパターンが膨大過ぎて
”有名人と同じ名前や名字の人間”の密度がとても低く、
その為、日本人に比べると無意識下の「他人の名前や名字に対する注目度」が低くて、
名前だけ出しても観客の注意を惹く事ができないので、
「うちのかみさんの何々が~」とか、「友人の何々が~」とか、
「弁護士の何々が~」の様に、名前よりも
相手の職業や 自分との関係を表す言葉の方が重要なのだそうです。
つまり「使うのを避けている」訳ではなくて、
「使っても効果が無いから使わない事が多い」だけです。
船には名前が付いているものなので、ふと思い出した当時の大統領の名前を
使ったというだけなのではないでしょうか。
日本人なら「あっ有名人と同じ名前だ!」と注目して読むのが止まるかもしれませんが、
アメリカ人なら 単に船の名として流し、その部分に
変に引っかかったりしないで読み進められるのですから、
特に船名にこだわりが無いなら 思い付きで済ますのではないでしょうか。
>せんじゅさん
毎回思いますが、ナイスな観点で物を見る力がありますよね。
そういう能力を、私ももっと磨かないといけませんね。
なかなか唸らせる批評だと思います。
ケイブンシャのストーリーを土台に、例えば映画にしても充分観客の視線に耐えうるものではないか
ありがとうございます。
今もバンゲリングベイは評価が高くないんですけど、ゲーム性、システムは語れますねえ。
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