・ゲーム制作者会社に入ったものの、もちろん何も出来ないのでデバッグ作業から始めることになってしまう
・パソコンから移植されたリアルタイムSLGのバグ出しを担当していた際、600倍近い勢力差のある軍勢を少数の軍勢で打ち破るバグを発見してしまう
・「でもSFCの処理能力が限界なんだよ。上から右側に向かって計算していくから、左側にいるユニットのほうが先に処理されちゃうんだよ。これは裏技として残しておくしかないね」と言われ、「俺の見つけたバグはムダだったのか……」などと愕然としてしまう
・でも、その説明で“なぜゲームのバグが出るのか”ということを悟ってしまう
・後に大技林を見てもそのバグが出ておらず、「あんなに有効な技なのに……ちっ」などと思ってしまう
・ワイヤーアクション系アクションにおいて、画面外や雲の下にワイヤーの先を刺し、ありえないルートで攻略する技を見つけ、スタッフから「すげー、新しいよ!」という声を受けてしまう
・しかしメーカーにバレてしまい、すべてのバグを直されてしまう
・グラフィックチーフから「ところで、このオープニングタイトルをどう思う?」「あ、かっこいいと思いますよ」「よし、直そう!」と意味不明なやりとりがなされてしまう
・そのゲームは後にプレミア価格がついており、「そういや、画面が暗いところに、グラフィッカーの連中が“バカ”とかって書いてたっけ。直されたからもう残ってないと思うけど、そういうのも知られてないんだろうなあ……」などと感慨にふけってしまう
・ある日、社長から呼び出されて「君、新人だし、給料を1●万にするよ。あと残業代もなしね」とありえない話を提示され、そのまま退職してしまう
・2年ほどバイトですごすが、その間のゲームネタは渋谷のど真ん中にある冨士そばでサイコソルジャーやシルキーリップのBGMを流した程度に停滞してしまう
・バイト情報誌で「RPGのデバッガー募集」を見つけ、「これがラストチャンスだな…、気合出してやっぞ!」と面接に向かい、ウマがあったのか採用されてしまう
・RPGのステータスチェックやフラグチェックなど、2日目から23時まで働き、その月は300時間、翌月は400時間、その次は517時間デバッグしてしまう。
・徹夜徹夜でタイムカードに入力ができず、手書きで30H、17H、20Hなどと書くことになってしまう
・時給は750円だったが、当時としてはありえないほどの給料をもらい、そのお金でネオジオとPCエンジンDUOを購入してしまう。
・「君、働きすぎだから来月から社員ね」「はい!」というやりとりで、ねんがんのしゃいんのたちばをてにいれたぞー!
・社員になっても働きぶりは変わらず、会社に寝袋と一週間分の着替えを持ち込み、会社そばの銭湯に通って生活してしまう
・週に一度、着替えを取りに行くだけの生活が続き、「こんなんだったら自分の部屋は契約してなくてもいいんじゃね?」などと思ってしまう
・もちろん炊飯器も持ち込み、会社でご飯を炊いて三食を卵と納豆とご飯だけですごしたため、ひと月の食費が6000円以下で済んでしまう
・「バグ出しには100%自信あります! 任せてください」とディレクターに宣言したところ、「200%任せられるかどうかは、あなた次第だけどね」などとクールビューティな切り返しをされてしまう
・バグを出しても出しても「仕様だから直さない」と言われ、「だいたい10%くらいしか直されないんなら、バグレポートを一週間で100枚単位で書けばいいんだろ! そうすりゃ10件ずつでも品質がよくなるわい!」などとブチ切れしてしまう
・でもさすがに、“胸いっぱいでしゃべれません”というセリフを直させようとしたのはムリがあったかな、などと思ってしまう
・でもラスボスの神様に毒攻撃が効くのはさすがにまずいっしょ、ということで直させてしまう
・バグの発生するタイミングを毎回一定のものにするため、入力パターンを記憶しておくことのできるコナミ製コントローラー“必殺”を使い、プログラマーから「こりゃあ便利ですよ」というお墨付きをもらってしまう
・開発終盤にディレクターとプランナーが抜けてしまい、現場にはアシスタントとデバッガーだけが残されてしまう
・「じゃあ、ちょっとキミが敵のバランス調整をしてみない?」と、販売メーカーの人から依頼されてしまう
・「敵から逃げる技もあわなくなる技もあるんだし、この地域の中で一種類だけ強いヤツを入れてみるかー」と強引なバランス調整をしてしまう
・「ダメだよー、こんな厳しいバランス調整をしちゃ」と、あっさり彼にバランス調整をしなおされてしまう
・「ちょっとお遊び要素を入れてみるか」「けっこう色々できるよ」「じゃあさ、ラスボスの攻撃を持つザコ、作ってみねえ?」「いいね、作ろうか」というわけで、世界に一匹だけ、何もない海のど真ん中にそのザコが配置されてしまう
・シナリオを担当している著名人の会社から大量のバイトが送り込まれてきたが、彼らに作業指示を出せる人が当然おらず、デバッガーとアシスタントが作業を割り振ることになってしまう
・「じゃあ、すべての地形で敵と戦闘してみましょう! 地形と戦闘時の背景が違っていたらバグですからね」とお願いしてやらせたところ、20万箇所すべてで戦闘をし、ついに、たった一ヶ所、氷の地形なのに背景が平野という場所が見つかってしまう
・その時、職場にはものすごい高揚感と一体感と充実感が生まれてしまう
・その後、完全に会社から開発の手が離れるが、その後に発売まで1年ほど間が空き、「まあ立ち上げからしてひどいプロジェクトだったしなあ……。プログラム担当会社んとこにディレクターとプランナーとデバッガーが見張りのごとく乗りこんでって作業してたしな……。色々とあったんだろうなあ」などとほのぼのとしてしまう
・さらにその後に攻略本が売り出されるが、スタッフには自分の名前はおろか、自分の会社自体が関わっていないことになっており、「大人の事情にもほどがあるよなあ……」などとゲーム業界の奇々怪界っぷりを目の当たりにしてしまう
・「じゃあ、しばらくバグ出しもないし、プランナーのアシスタントをしてよ」「わっかりました!」ということで、ついにデバッガーから卒業する時がきてしまう
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